研究概要
将来のCMBのBモード偏光観測衛星では、スカラー・テンソル比で0.1%レベルまで検出可能なものを目指す。
その実現には、ミリ波偏光データからCMB と前景放射を分離する精度を現在より一桁以上向上する必要がある。
本研究では、以下の方法でこれを実現する。
- 「あかり」遠赤外線全天サーベイデータを用いて銀河系内ダストからのミリ波全天放射強度分布モデルを飛躍的に向上する。
- 数値磁気流体シミュレーションを用いて、太陽系近傍の超新星爆発等非定常な現象によって生じている構造も再現できる現実的な銀河系磁場3次元構造モデルを世界初めて構築する。
- Planckとの共同研究によりダスト偏光放射モデルを構築する。
これらの結果を取り入れて、CMBと前景放射の物理的特徴の違いを用い高精度で成分分離を実施する計算スキームを構築する。